月々の返済金額が少なく家計負担を抑えられるリボ払いはとても便利で一度利用すると繰り返し利用してしまいがちです。
しかし、リボ払いの継続利用はどの買い物の返済が終わったのか把握できない、いつの間にか月々の支払額が増えているなど、いつになったら支払いが終わるのかがわからないというような事態を招くこともあります。
この記事では便利な反面金利手数料が積みあがるリスクもあるリボ払いについて、手数料計算の方法や手数料が膨れ上がる要因、返済が終わらない時にとるべき対策をご紹介します。
リボ払いの金利と手数料の計算方法を解説
リボ払いには手数料がかかりますので利用しづらいイメージがありますが、手数料の計算方法を知っていれば計画的に利用しやすくなります。
リボ払いは返済時に金利がかかり、利率に応じて毎月手数料が発生します。
手数料はカードローンを利用する際の利息と同じようなもので、リボ払いにかかる金利は年率で記載されています。
カード会社により異なりますが、リボ払いの金利は年率15%~18%程度に設定されるケースが多いです。
年率で15%の場合1年間にかかる金利手数料が15%ですので、半年間で返済できれば7.5%、4か月ならば5%の計算になります。
実際に毎月支払う金利手数料を計算する時には、1年間にかかる金利手数料を元に1か月に支払う金利手数料を計算します。
金利手数料の計算方法
1か月にかかるリボ払いの金利手数料は次の計算式で算出します。
毎月の手数料=利用残高×(実質年率÷12か月)
手数料は借りた日数分かかりますので厳密にはその月の日数に応じて計算されますが、ほぼ差はありませんのでここでは年率÷12か月で計算します。
例えば、実質年率15%、借入残高5万円である場合は次のように1か月の金利手数料を算出します。
5万円×(0.15÷12ヵ月)=625円
手数料の計算方法はカード会社によって異なりますが、リボ払いで5万円を利用すると約625円の金利手数料がかかることがわかります。
金利手数料は毎月締日の時点のリボ残高に応じて計算されるので、残高が多ければ多いほど手数料の金額が大きくなることを覚えておきましょう。
リボ払いの返済方式は2通りある
リボ払いの手数料計算は上記の通りですが、実際の支払額はカード会社ごとに定めている返済方式によって異なります。
クレジットカードのリボ払いは残高に関わらず支払額がほぼ一律になる定額方式を用いていますが、その中でも2つの方式に分かれます。
元金定額リボ払い方法は毎月決められた元金返済額と金利手数料の合計を支払う方式です。クレジットカードのキャッシングやリボ払いの支払いに多く用いられている方式です。
元利定額リボ払い方式は毎月の支払額が必ず一定になる方式で、返済額に手数料分を含めて支払う方法です。カードローンや住宅ローンの返済に用いられることが多い方式ですが、クレジットカードのリボ払いでも採用されています。
返済方式 | 金利手数料 |
---|---|
元金定額リボ払い方式 | 設定返済額に金利手数料が上乗せされる |
元利定額リボ払い方式 | 設定返済額の中に金利手数料が含まれる |
返済額5,000円設定、金利手数料625円の場合の支払金額は元金定額リボ払い方式の場合5,625円(元金返済額5,000円+手数料625円)、元利定額リボ払い方式の場合は5,000円(元金返済額4,375円+手数料625円)となります。
金利手数料をシミュレーションしました
借入残高5万円のケースでは1か月目の金利手数料は625円ですので、大して大きな手数料ではなく便利な支払方法だと感じるかもしれません。しかし、利用額が高額になると手数料も大きく膨らみますので注意が必要です。
年率15.0%、月々の支払いは10,000円の元金定額リボ払い方式で5万円利用した場合、20万円利用した場合、50万円利用した場合の手数料をシミュレーションしました。
5万円をリボ払いした場合、5か月で完済でき支払手数料の合計は1,875円です。これくらいの額の手数料であればそれほど負担にならないため、大変便利にリボ払いの活用ができます。
次は20万円の場合は完済まで2年弱かかり、支払手数料は約26,000円となりました。
一番支払額が多い月でも2,500円追加される程度ですので、そこまで問題視する手数料ではないように見えるのではないでしょうか。
最後に50万円のケースでは完済まで4年強、総支払手数料は約16万円です。
利用額は20万円と比較して2.5倍ですが手数料は6倍以上になってしまいます。
これ以上利用額が増えると月々の返済額も増額されるケースが多いので全く同じ条件ではありませんが、たとえば楽天カードのシミュレーションでは総手数料は次のように増していきます。
20万円程度の利用ならば毎月の返済で残高が確実に減っていき手数料も少額ですので利便性が高いリボ払いですが、利用額が50万円、100万円と増えるごとに手数料も大きく膨れることがわかります。
リボ払いを検討している方はあらかじめ手数料がどれくらいになるのか把握してから利用したいものです。
その際、クレジットカード会社などが提供しているシミュレーションサイトを利用すると手数料の目安がわかりますのでぜひ活用してみてください。
リボ払いの手数料を安く抑える方法を解説
リボ払いの継続利用が危険であることをご説明しましたが、すでにリボ払いを利用している方に手数料負担を軽減できる4つの対策をご紹介します。
月々の支払額を増やし残高を減らすことで手数料を下げられる
ボーナスや臨時収入などで余裕がある方は一日も早く残高を一括で支払いましょう。金利手数料は借りている日数分かかるため、早ければ早いほど手数料を節約できます。
各カード会社は一括返済の仕組みを設けていますので、方法や残高がわからない方は問い合わせてみましょう。通常は電話申し込みやインターネット上でマイページから手続きが可能です。
一括返済するほどの余裕はなくても、ある程度の額を随時返済したり月々の支払額を増やしたりするだけでも手数料の節約につながります。
利用額20万円、年率15.0%でリボ払いを利用し、毎月の支払額1万円と2万円のケースを比較すると次のようになります。
月々の支払額を1万円増やすと12,500円の利息節約につながりますし返済を終えるまでの期間も10か月短縮されることがわかります。余裕のある方は少しでも支払額を増やしましょう。
銀行カードローンへの借り換えで金利を下げられる可能性がある
リボ払いの残高を銀行カードローンに借り換えることで金利手数料の負担が軽減される場合もあります。
複数のクレジットカードでリボ残高がある人、100万円以上の残高がある人は銀行カードローンへの借り換えをおすすめします。
銀行カードローンに借り換えると次のようなメリットがあります。
- 金利が下がるケースが多い
- クレジットカードショッピング枠の利用可能枠が復活する
- 一本化することで返済管理がしやすくなる
- 借入残高が把握しやすくなり計画的に利用できるようになる
クレジットカードのリボ払いもカードローンの借入も利息・手数料発生の仕組み自体は同じですが、クレジットカードのリボ払いはどうしても借金をしている感覚を失いがちなのに対して、カードローンは借入するたびに借金を実感します。
また、銀行カードローンは100万円以上の借入で金利が下がる場合が多いです。
クレジットカードのリボ払いはいくら利用しても手数料率は固定であるケースがほとんどなので、高額の残高がある方はカードローンに借り換えたほうが負担軽減につながります。
また、銀行カードローンの年率は次の通りです。リボ払いの金利は約15%から18%なので、銀行カードローンの方が低く抑えられることがわかります。
銀行カードローン | 借入残高 | 年率 |
---|---|---|
イオン銀行 | 100万円未満 | 11.80%〜13.80% |
楽天銀行 | 100万円未満 | 14.5% |
みずほ銀行 | 100万円未満 | 14.0% |
リボ払いをするなら金利手数料を把握して使いすぎないようにしよう
リボ払いは支払った件数や金額にかかわらずあらかじめ決められた一定の金額を毎月支払い続ける方法です。
クレジットカードやカードローンの返済方法のひとつですが、一般的にリボ払いと言うとクレジットカードを利用した買い物の支払いを毎月一定額に固定して行う仕組みを指します。
リボ払いは店頭で買い物する際に選択したりあとからリボ払いに変更したりすることも可能です。また、リボ払い専用のクレジットカードもあります。
手元にお金がなくても買い物ができる
リボ払いの最大のメリットは今現在手元に現金がなくても大きな買い物ができることです。
クレジットカードの一括払いで買い物をすると翌月の引き落とし日までに全額用意しなくてはいけませんが、リボ払いならば翌月までに必要なのはあらかじめ決めた一定の額のみです。
たとえば10万円の買い物をしても月々の支払いは1万円で済むため、将来の収入を見越した買い物が可能になります。
また、大きな買い物をしても月々の負担額はほぼ変わらないため家計管理がしやすい点もメリットです。
- 手元に現金がなくても大きな買い物ができる
- 毎月の支払額が一定なので家計管理がしやすい
リボ払いを続けると金利手数料が膨れ上がるので注意
通常一括払いならば手数料はかかりませんが、リボ払いを利用すると金利手数料を負担する必要があります。
手数料は各クレジットカード会社が定める金利に応じて発生します。そのため、月々の支払い負担が軽減されるものの最終的に支払う額は増えてしまいます。
さらに、リボ払いを使いすぎると知らぬ間に金利手数料がどんどん膨れ上がり、大きな借金を背負ってしまうリスクもあります。
手数料を支払ってでも今必要な出費なのか、貯蓄してから手数料なしで購入するのかをよく考えて計画的に利用する必要があります。
- 金利手数料がかかる
- 計画的に利用しないと大きな借金を背負うリスクがある