郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる自動貸付の方法について解説します。

急な出費でお金が必要になっても、消費者金融からお金を借りるのは不安に思うこともあることもあるでしょう。
そんな時、いつも利用している郵便局でお金を借りられたらと考える方も多くいます。

郵便局は日本全国に20,000店舗以上あり多くの人が利用する身近な存在なので、消費者金融と比べるとお金を借りやすいです。

ただし、郵便局の金融関連サービスは全てゆうちょ銀行が提供しているため、厳密に言うと郵便局からお金を借りるのではなく、ゆうちょ銀行からお金を借りるのが正しい解釈です。

ゆうちょ銀行でお金を借りる方法は2通りありますが、他社のカードローンを利用したほうが良いケースもあります。

ゆうちょ銀行でお金を借りるメリットとデメリットを踏まえて、自分に最適な選択をしましょう。

目次

郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる2つの方法

郵便局でお金を借りる方法は2つ

2023年現在、郵便局でお金を借りる方法は2通りあります。それは、貯金担保自動貸付JPバンクカードを利用する方法です。

貯金担保自動貸付けで借りる方法

ゆうちょ銀行の総合口座を保有しており、担保定額貯金や担保定期貯金に預け入れがあれば、貯金担保自動貸付けを利用してお金を借りることができます。

貯金担保自動貸付けは、総合口座で管理する担保定額貯金や担保定期貯金を担保として、通常の貯金残高を超える払戻しの請求があった際に不足分が自動的に貸付けられるという制度です。

貯金の残高よりも多く引き出すと総合口座通帳の残高欄にマイナスで表示されるので、いくら借りたのかが分かります。

ただし、貯金担保自動貸付けの取扱いが停止されている場合は利用できないので注意しましょう。

貯金担保自動貸付けの詳細をまとめました。

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申し込み条件ゆうちょ銀行の総合口座を保有し、担保定額貯金または担保定期貯金に預け入れがあること。
貸付金額の上限預入金額の90%以内※1冊の総合口座通帳につき300万円まで
貸付期間貸付けの日から2年(貸付けの日から2年以内に担保とする貯金が満期を迎える場合、その満期までの期間)※元利金継続(継続預入)の担保定期貯金を担保とする場合、貸付期間の範囲内で貸付けも継続
貸付方法・返済回数通常貯金の残高を超える払戻しがあった場合、その不足分が自動的に貸付される。
貸付回数は無制限。
返済方法・返済回数貸付金額と貸付利子の相当額を通常貯金に預入すれば自動的に返済される。
貸付期間内であれば、返済回数および1回あたりの返済金額は無制限。
貸付金利担保定額貯金を担保とする場合、返済時の約定金利(%)+0.25%
担保定期貯金を担保とする場合、預入時の約定金利(%)+0.5%

財産形成貯金担保貸付・国債等担保自動貸付は新規受付を終了

ゆうちょ銀行は貯金担保自動貸付け以外にも、財産形成貯金担保貸付けまたは国債等担保自動貸付けという方法でお金を借りることができました。

なお、財産形成貯金担保貸付けは、財形定額貯金や財形年金定額貯金または財形住宅定額貯金を担保とし、預入金額に利子を加えた金額の90%相当額まで借り入れができる制度です。

国債等担保自動貸付けは、ゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で購入した利付国債または個人向け国債を担保とし、利付国債および個人向け国債の80%まで借り入れができる制度です。

しかし、この2つの貸付制度は2019年3月29日をもって新規受付を終了しています。

JPバンクカードのキャッシング枠を利用する

ゆうちょ銀行から直接お金を借りるのとは少し意味合いが異なりますが、ゆうちょ銀行が発行しているJPバンクカードというクレジットカードのキャッシング枠を利用してお金を借りることができます。

ただしJPバンクカードを申し込みする際には、ゆうちょ銀行で通常貯金口座を持っている必要があります。

キャッシングリボまたはキャッシング一括の利用枠を設定しているなら、CDやATMでインターネットや電話からも利用枠範囲内での借り入れが繰り返し可能で便利です。

なお、借り入れの際にはJP BANK カードとクレジットカード暗証番号が必要となります。

JPバンクカードの種類と詳細はこちらです。

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カードの種類申し込み条件年会費キャッシング枠上限実質年利
JPBANKカードALente高校生を除く満18歳以上、29歳以下の方(家族会員は満18歳以上)初年度無料、翌年度以降1,375円0~30万円(学生は5万円)15.0%
JPBANKカードEXTAGE満18歳以上29歳以下で、ご本人または配偶者に安定収入がある方または、高校生を除く満18歳以上29歳以下で学生の方(家族会員は満18歳以上)新規入会後5年間年会費無料。その後の年会費は1,735円0~50万円(学生は利用不可)15.0%
JPBANKカードゴールドカード満18歳以上でご本人または配偶者に安定収入がある方または、高校生を除く満18歳以上の学生の方(家族会員も同じ)11,000円0~50万円15.0%
JPBANKカード一般カード満20歳以上でご本人に安定収入がある方(家族会員は満18歳以上)初年度無料、翌年度以降1,375円0~50万円15.0%
出典:JPバンクカード商品性比較

郵便局(ゆうちょ銀行)の貯金担保貸付けのメリットとデメリット

ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けを利用するメリットとデメリットをまとめました。

カードローンの場合は審査が必須になりますが、ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けは審査が不要です。しかし、貯金担保貸付けの場合はゆうちょ銀行の総合口座を保有していて、担保定額貯金または担保定期貯金に預け入れがあれば誰でもお金を借りることができます。

たとえば、他のカードローンでは申し込みを断られるような無職の方、過去に金融事故を起こしていて信用情報機関でブラック扱いになっている方でも、ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けを利用できます。

ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けは、金利の低さも魅力です。

担保定期貯金を担保とする場合の貸付金利は預入時の約定金利(%)+0.5%となります。

定期貯金の金利は0.01%程なので、その場合は0.51%という低金利でお金を借りることができます。他社のカードローンでは実質年率15%~18%というケースも多く、ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けと比較するとその差は歴然です。

前述したように、ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けは審査が不要なので申し込みから借り入れまでがスムーズかつ、申し込みしたその日からお金を借りることが可能です。

一方、他社のカードローンでは審査が数日かかる場合もあり、すぐに融資を受けられないことがあります。
ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けは、急ぎでお金が必要な場合にも役立ちます。

通常、カードローンやクレジットカードのキャッシングでお金を借りると、信用情報機関に申し込みや借り入れ、返済履歴といった全ての記録が残ります。

借り入れの金額が少額の場合は影響は少ないものの、信用情報機関に多額の借り入れの履歴があると、住宅ローンや車のローンといった大きな金額のローンを契約する際に不利になってしまう可能性があります。

また、クレジットカードを作るのにも審査時に信用情報機関に照会をするので、返済の滞納があるとクレジットカードすら作れないケースもあります。

しかし、ゆうちょ銀行の貯金担保貸付けなら信用情報機関に借り入れをした履歴が記録されません。

そのため、将来ローンを契約する際にもお金を借りたことにより審査が通らないのではという心配をしなくて済みます。

ゆうちょ銀行の営業時間内しか申し込みできないのがデメリット

貯金担保貸付けを利用するためには、ゆうちょ銀行の窓口(郵便局の貯金窓口)に出向かなければなりません。

つまり、ゆうちょ銀行の営業時間内でしか申し込みできないのです。

郵便局の貯金窓口は平日の9時から16時までの営業なので、土日祝しか仕事の休みがない場合はなかなか都合がつかないでしょう。

そういった場合は昼休みや有給休暇を利用することを検討してください。

申し込みの際には念のため、本人確認書類や印鑑、ゆうちょ銀行の通帳を持参しましょう。

貯金担保貸付けは普通預金口座の残高が足りなくなったら自動的に貸付を行うため、ついつい借りすぎてしまう可能性があります。

いつも使っている口座からお金を引き出すだけで利用できるため、特に通帳記帳をあまりしない場合だとお金を借りているという意識が薄れてしまうかもしれません。

借り入れできる上限金額は預入金額の90%以内になっていますが、こまめに通帳記帳をして返済できる範囲内で利用するように気を付けましょう。

ゆうちょ銀行JPバンクカードのキャッシング枠を利用するメリット・デメリット

JPバンクカードのキャッシング枠を利用するメリットとデメリットを解説します。

JPバンクカードはインターネットからいつでも入会の申し込みができます。

貯金担保貸付けと違い、わざわざ店舗へ出向いて手続きをしなくて済むので便利です。

ただし、後述するデメリットでも触れますが、ゆうちょ銀行の口座を持っていない場合は口座開設のため窓口へ行く必要があるので注意しましょう。

すでにキャッシング枠が設定されたJPバンクカードを持っているのであれば、すぐにお金を借りることができます。

JPバンクカードはゆうちょ銀行のATMだけでなく、セブンイレブンやファミリーマートに設置されているATMでも利用できるため利便性の良さも魅力の1つです。

ゆうちょ銀行の口座が必要なのがデメリット

JPバンクカードを作るためにはゆうちょ銀行の口座を持っていなければならないので、もし口座がないなら事前に口座開設をする必要があります。

口座開設の手続きは郵便局の貯金窓口が営業している平日9時から16時に出向いて行うので手間がかかります。

キャッシング枠が設定されたJPバンクカードをすでに持っていればすぐにお金を借りることができますが、これからJPバンクカードを申し込みするのであれば即日融資は受けられません。

JPバンクカードを申し込みしてから入会申込書が自宅に届く目安として約1週間程度かかります。申込書を返送してから審査を行うため、申し込み後クレジットカードが届くまで最短でも2週間程度は必要なのです。

かつてゆうちょ銀行ではカードローン「したく」、パーソナルローン「夢航路」を提供していました。

しかし、いずれもスルガ銀行のローンをゆうちょ銀行が代行していたため、スルガ銀行とゆうちょ銀行が業務提携を解消したことを受け新規受付を終了しています。

まとめ

ゆうちょ銀行でお金を借りる方法は、貯金担保自動貸付けもしくはJPバンクカードのキャッシングを利用する2通りがあります。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえ、おすすめできるケースをまとめました。

借り入れ方法おすすめするケース
貯金担保自動貸付ゆうちょ銀行の担保定額貯金または担保定期貯金に預け入れがある。
預入残高の90%以内の金額を借りたい。
JPバンクカードでキャッシングJPバンクカードを持っている。
JPバンクカードを持っていないがお金を借りるのを2週間~1ヵ月程度待てる。
30万円または50万円以内の金額を借りたい。

このようにゆうちょ銀行でお金を借りるのがおすすめなのはごく一部のケースです。

つまり、とにかく急ぎで借りたいが担保定額貯金または担保定期貯金に預け入れがなく、JPバンクカードも持っていないという方は消費者金融がおすすめです。

消費者金融のカードローンでは金利が15%~18%と高めになりますが、一定期間は無利息になる場合があるので早く返せるあてがあるなら、ゆうちょ銀行で借りるよりお得になります。

自分の状況や借りたい金額をしっかり考えて、どの方法でお金を借りるのが良いかをしっかり見極めましょう。

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